書評『もたない、すてない、ためこまない。身の丈生活/著:アズマカナコ』
2016/03/27
電気代500円生活の著者が提案する、シンプルで豊かな暮らし
電気代500円の人として話題になったアズマカナコ氏の著書。
私達が暮らす現代社会はモノにあふれ、電気代をはじめとするエネルギーを湯水のごとく消費しています。
ともすれば、経済発展の源泉として、消費が推奨されることも少なくありません。
著者は、そんな社会に疑問を投げかけます。
この先もずっとそのような消費社会は成り立つのだろうか。
モノやエネルギーをたくさん使わなくても豊かな暮らしはできますよ、という著者からのメッセージが本書には詰まっています。
ネタバレ的なことをあまり書くと著者に申し訳ないので、サワリだけご紹介します。
第1章 背のびしない身の丈生活
水道光熱費の節約など。
家庭内で循環しているから、ひとつも生ゴミが出ない、というのは素晴らしいですね。
大事な役割を担っているのが2羽のウコッケイ(にわとりの一種)。
かわいいです。
飼ってみたい。
第2章 着るもの
少ない服を着まわす方法や、染め直したり繕うことで服の寿命を伸ばしたり、手入れする方法などについて書かれています。
第3章 食べるもの
アズマ家の献立例が写真とともに載っています。
著者の家には冷蔵庫が無いので、漬物や干物など、冷蔵庫がなくても保存が可能な食品を多く活用しています。
第4章 季節を感じる生活
エアコンに頼らない生活の知恵など。
籐の枕やござなど、昭和レトロなアイテムが登場します。
エアコン暖房を使用していない私としては、火鉢を試してみたいです。
第5章 住むということ
家電製品との付き合い方、収納のコツなど。
著者は、節約できたお金で好きな本を買ったりするそうですが、例に挙がっている写真が、戦前?くらいの超レトロな本(「主婦之友 花嫁講座 家庭経営法」など)。
写真に出てくる家具も、年季の入った和ダンスや文机などですが、趣があっていいです。
実践できることは多くはないけれど
正直、この本を読んでも、普通の人が実際に実践できること、真似できることは多くないと思います。
ちょっとハードルが高いというか。
ニワトリを飼いたくても、近所迷惑にならないような場所に住んでいないと出来ませんしね。
でも、モノを大切にし、自然と調和した昔ながらの暮らしを実践する著者の考え方には、共感できるところがたくさんありました。
古き良き昭和です。
部分部分だけでも、自分の生活に取り入れられたらと思います。
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